犬の突然死の原因の1位は心疾患です。
10歳以上の犬の50%以上が何らかの心疾患を持っているとデータがあります。
そのリスクの高さから、他ホテルでは10歳以上の高齢犬をお断りするホテルも多いかと思います。
通常の生活の中で、心疾患を見つけるのはとても難しいです。
シッターに出来る事は、犬の心身の疲労状態を見て、1匹だけのパーソナルスペースを設けたり、体力消耗を抑える為にお散歩を控えたり、ご帰宅後は安静にして頂けるように飼い主様に促したり。
時折、「家ではこうしてるので、こうして欲しい」と仰る方もいらっしゃいますが、犬にとってホテルは非日常の状況です。今、目の前にいる犬にとって何が最善かを判断するのはシッターです。
生き物を扱う仕事の上で、マニュアル通りや、飼い主様に言われたままにしか動けないシッターはとても危険だと私は思っています。
第2のお家のように寛いでもらい、お家にいる時と変わらないお世話をさせて頂く事が理想ですが、それには少なからず時間が必要なのです。
そして、飼い主様に出来る事は、1歳からは年に1回の健康診断。7歳からは半年に1回の健康診断。それが大切かと思います。
人間の4倍速で犬の老化は進みます。仔犬の頃から育てていると、どうしてもいつまでも仔犬のような笑顔に彼らの年齢を忘れがちになってしまいます。
当ホテルを作る時に、高リスクを背負ってまで、高齢犬や障害犬を受け入れようと思ったのは、そんな子達だからこそ、アットホームなホテルが必要だと思ったからです。
高リスクを背負ったまま、長く経営していれば、そのうち当ホテルで亡くなる子もいるかもしれません。その覚悟を再度もって、これからも1匹1匹の状態を瞬時に判断して適切なお世話が出来るシッターを目指したいと思います。
飼い主様方々とワンコの成長の喜びも、そしていずれ来るであろう別れの寂しさも、共有させて頂きたいと思う所存です。
SHIORI