sippo猫塾「めざせ20歳! 服部幸先生に学ぶ、猫と長く幸せに暮らす方法」
今回は第一期の最終回 第六回「慢性腎臓病について ー猫に最も多 い病気ー」です。
新型コロナの影響でセミナー開催中止のため、web受講させて頂きました。
先生にお目にかかれず残念でしたが、「おっと、今のところもう一回!」と戻ったり、一時停止してしっかりメモを取ったりとweb講座もとても受講しやすくて大変勉強になりました。今回もありがとうございます。
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さて、2014年のデータでは81%の猫が罹るとされている「慢性腎臓病」
※正式な病名は「慢性間質性腎炎」ですが、今回の講座でも分かりやすく便宜的に「慢性腎臓病」でと先生もおっしゃっておりました。
そもそもこれって「病気?」「老化?」と境界線も難しいようです。
ですが、いずれにしても愛猫の腎臓機能障害が起きている事は確かで「早い段階で気付いてあげる事」、「判明してからしてあげられる事」を知っておくのはとても大切です。
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まず「気付いてあげる事」
これは、ずばり
・尿がたくさん出る
・飲水量が増える
この2点です。
ほとんどの猫さんの初期症状はこれ。普段から愛猫の様子を見ていれば気付けますね。
但し、この段階で既に腎臓機能は33%
1/3にまで機能が低下しているのです。しかも血液検査(Cre:クレアチニン)の数値はまだ正常である事がほとんどです。
ならば、血液検査が悪化するのはどのタイミングか?
血液検査が悪化した段階では既に腎臓機能は25%
これにより、健康診断で血液検査が正常値であっても安心出来ないと言うことが分かります。
肝臓と共に腎臓は「沈黙の臓器」なんて言われていますが、機能がかなり低下するまで表面に出て来てくれないのです。
ただ明るいニュースも!
ほんの数年前、新しい血液検査「SDMA」というのが開発され早期発見が可能となったようです。
先に記載した腎臓機能の順に改めて並べると。
正常に機能している状態→100%
SDMAが悪化→60%?
尿の量が増える→33%
Creが悪化→25%
これ以下になると、食欲、体重が減り、嘔吐、脱水、昏睡、死に至る。となってしまいます。
フードももちろんですが、動物医療も日々進化していて飼い主にとっては本当に本当に有り難く、日夜ご尽力頂いていらっしゃる方々には本当に頭が下がります。愛猫との暮らしもこういった方々のお陰とも思っています。本当にありがとうございます。
SDMA検査が一般的になってせめて60%?で気付いてあげられれば、極力辛い思いをさせず機能している部分を大切に一緒に暮らせる事が出来るのではないか・・と思うのです。
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次に、「慢性腎臓病」と判明してからしてあげられる事です。
「慢性腎臓病の治療は3つの柱」
1)食事療法
2)投薬・サプリ
3)水分の補給
1)食事療法
これまでの食事から「腎臓病用療法食」へ切替えると言うことですが、なんとこれにより2~3倍寿命が伸びると言うデータがあるのです。なので最優先すべきは療法食への切替え。
但し 腎臓病用療法食はタンパク質を減らしているのでもともと肉食の猫にとってあまり美味しくないフードになってしまうようです。健康であってもフード選択は難しいですが、愛猫が口にしてくれるものを飼い主がしっかり情報収集しながら粘り強く選択してあげたいですね。
2)投薬・サプリ
薬
・フォルテコール
・セミントラ
これらはタンパクを尿に漏れ出すのを防ぐための薬だそうです。
・ラプロス
これは血管を拡張させ腎臓に血液や栄養をたくさん供給するための薬だそうです。ざっくり分かりやすく説明して下さっているのを書かせて頂いておりますので、薬についてももちろんかかりつけの獣医さんにご相談下さいね。
腎臓病の薬と言っても、働きかけが異なるんだなと認識出来ました。
その猫さんにとってどの薬がベストかはまだまだ分からないところもあるが、進行を食い止める手立てにじゅうぶんになってくれる大変有り難い薬だそうです。
実際、シッティングさせて頂く猫さんもこれらの薬を服用中で安定している猫さんも多いのです。
サプリ
・レンジアレン
・カリナール1など
これらは食事中のリンを吸着し便で排泄させるサプリ
・ネフガード
・カリナール2
・コバルジンなど
これらは腎臓から排出すべき老廃物を吸着し便で排泄させるサプリ
サプリはあくまでも補助的なものですが、個人的には療法食や薬との相性も獣医さんと相談しつつ上手に取り入れるのはとても良いと思います。
3)水分の補給
何より脱水をさけるためにもとても重要です。
水分補給は
・口から飲む
・皮下輸液
・静脈点滴
この3つの方法しかないのですが、口から飲んでもらうのが一番なのは明らかです。
ウェットフードに切替える、水の状態や食器のタイプ等々水分補給してもらうために飼い主がしっかりサポートすべき、これもとても大切な事ですね。
シッティングの際は猫さんの健康状態ももちろん注視しております。何か気になる点などあった際はシッターにも情報共有頂くよう飼い主様へもお願いしております。
愛猫の健康は何よりの願いですね。日頃から食事、飲水量、排泄状態などをしっかり観察して小さなサインも見逃さないようにしたいものですね^^
来月からのsippo猫塾第二期(4月~9月 全6回)も参加させて頂きます。またこちらでもご紹介出来ればと思っております。