「服部幸セミナー運営事務局」様主催、東京猫医療センター院長 服部先生のWEBセミナー受講致しました。
テーマは『猫の尿石症』 猫にとても多い『泌尿器系疾患』についてです。
 
まずは、んっそもそも「泌尿器」って
 
上記の「腎臓から尿道の」茶色っぽいパーツ部分の事です。
 
そのパーツ部分がこのイラストです。
上から
腎臓
尿管
膀胱
尿道
この4つのパーツが『泌尿器』です。
泌尿器は尿が出来、排出されるまでの経路という意味で「尿路」とも呼ばれているとの事。
 
そしてさらに、
上ふたつ→腎臓 尿管を『上部尿路』と言い、
下 ふたつ→膀胱尿道を『下部尿路』と言います。
 
キャットフードパッケージに「下部尿路の健康維持に」とか書いてあるのを見かけますね。これを意味しているのです。
そして、それぞれ
腎臓に出来た石「腎結石」
尿管に出来た石「尿管結石」
膀胱に出来た石「膀胱結石」
尿道に出来た石「尿道結石」となりますが、
 
この4つのパーツのどこかひとつでも石が出来れば『尿石症(尿路結石)』です (尿石症と尿路結石はイコールと考えて良いようです)
代表的な2つの尿路結石
ストラバイト(リン酸アンモニウムマグネシウム)
シュウ酸カルシウム
*ストラバイトは「ストルバイト」と表記される事も多いですが、セミナーでは「ストラバイト」でしたのでこちらとしております。
以前は結石というとイコール『ストラバイト』と発想しがちで、若猫さんはストラバイトが多く、高齢になるにつれシュウ酸Caが多くなるのかな・・・というイメージでしたが、シュウ酸Caのめまぐるしい増加により、近年はストラバイトよりシュウ酸Caの方が多くなっているとの事です(>_<)
 
これは日本だけでなく、アメリカ、カナダ、ヨーロッパと諸外国も同じ傾向にあり、先生の病院でもカルシウム系(シュウ酸Ca、シュウ酸Ca+リン酸Ca)が非常に多く、ストラバイトは少ないとの事でした。この尿路結石の時代の移り変わりについては、まだ原因不明との事。。
 
結晶、結石が判明した際、ストラバイト?シュウ酸Ca?どちらなのか、これが非常に大きいです。
この2つの大きな違いは
ストラバイト→食事療法で溶ける
シュウ酸Ca→食事療法では溶けない
 
よって治療方法も
 
ストラバイト→食事療法
シュウ酸Ca→外科手術
 
これだけ見てもシュウ酸Caとても厄介。しかもこちらが近年増加しているのですから…(>_<)
どちらの石か?ある程度はレントゲンで判断出来るようですが最終的には手術で摘出しないと判断出来ない場合も多いようです。
結晶の段階で尿と排出されれば尿検査で判断出来ても結石の状態では尿検査では判断出来ないようですし、しかも、ストラバイトとシュウ酸Caが混在する場合もあります
 
何よりおしっこを濃くさせないこと、予防策はしっかり水分補給してもらい、しっかりおしっこしてもらう事です^^
ちょっと重いお話しで恐縮ですが、何より猫さんの健康で穏やかな毎日のために。チラッと参考にして頂ければ幸いです