ある日、愛猫のトイレを掃除していたら血が混じっている…すぐに病院へ連れて行くのはもちろんですが、こんな時考えられるのはどんな病気なのかと不安になりますよね。今回はそんな猫の血尿に関するお話をさせていただきたいと思います。
おしっこが全く出ていない場合
尿路結石や腫瘍などが原因で、尿が2日以上全く出せなくなると尿毒症になり、状態は緊急を要します。まずは、尿は出ているのか、まったく出ていないのかを確認しましょう。
※膀胱炎で頻尿を起こすと我慢できなくなり、トイレ以外の場所で排尿していることがあります。
考えられる病気
・尿路結石(下部尿路症疾患)
砂漠地帯出身の猫は水分の摂取量が少なく、濃縮された尿のため結石を作りやすいとされています。
そのため水分摂取量や運動量が減る冬場に発生しやすく、また、食事中のリンやマグネシウムの量が多いことが原因となるのでフード選びが重要です。
また、雄猫は尿道が細いため結石がつまりやすく尿道閉塞になりやすく、全く尿が出ない、出が悪い場合などは注意が必要です。
・特発性膀胱炎
猫の膀胱炎は犬と違って細菌が関与する細菌性膀胱炎を起こすことは少なく、特発性膀胱炎が多くを占めています。
特発性膀胱炎は、はっきりとした原因はわかっておらず、治療はできるだけストレスのない生活環境への改善、水分摂取量を増やし、特発性膀胱炎用のフードを食べせます。
猫のフェロモン剤の使用も効果的といわれており、場合によっては抗不安薬を投与することもあります。
陰部を舐める、何度もトイレに行く、排尿時に鳴く、トイレ以外の場所で粗相するなどの症状が見られます。
・タマネギ中毒(ネギ、ニンニク、ニラなど)
タマネギが猫にとって有害であることはとても有名ですね。
タマネギの成分であるアリルプロピルジスルファイドが赤血球を破壊することにより貧血を起こし、血尿が見られます。
食べてから数日後に症状が出る事があるので注意してください。
・ヘモバルトネラ症
ヘモバルトネラ・フェリスという病原体が赤血球の表面に寄生し、赤血球が破壊されることで起こります。
はっきりした原因はわかっておらず、ケンカやノミ・ダニなど外部寄生虫などが感染経路ではないかと言われています。
・腎盂腎炎
上部尿路感染症で、急性では元気消失、食欲不振、発熱や嘔吐、慢性では多飲多尿、症状が現れない場合もあります。
膀胱や尿道での細菌感染が腎盂に波及することで起こると考えられています。
・膀胱腫瘍
膀胱炎に似た症状が見られ、高齢の猫で稀に起こります。
手術で改善が見込めますが、後遺症のリスクがあり、悪性が多く、転位が早いため早期発見が重要です。
まとめ
血尿の原因となる病気の中には早期に対応しなければ命に直結するものがあります。
排尿排便は健康のバロメータですから、日頃からよく観察しておき、異常があればすぐに発見できるようにしてあげたいですね。