わんちゃんの気になるお口のにおい~歯磨きの重要性と口腔衛生~

わんちゃんの気になるお口のにおい~歯磨きの重要性と口腔衛生~

愛犬のお口のにおいが気になる・・・これは歯周病が原因かもしれません。歯周病はお口だけの問題ではなく様々な疾患の原因にもなります。
うちの子は大丈夫!・・・本当にそうでしょうか。3歳以上のわんちゃんの実に3割が歯周病予備軍といわれており、他人事ではありません!

目次

歯周病の症状

歯周病は細菌の感染による炎症性疾患で、歯茎に炎症を起こす歯肉炎の状態が進行すると、歯と骨の土台となる組織にまで及び、骨が溶け出す歯周炎となります。

  • 口臭がする
    歯垢や歯石が蓄積すると、生臭いにおいがします。
  • 歯茎が赤い
    健康な歯茎はピンク色で隙間がなくしまって見えます。
  • 歯を痛がる
    ご飯を食べにくそうにしたり、前足で口を気にする行動が見られることがあります。
  • くしゃみ、鼻水
    感染が進むと歯槽骨の上部にある鼻腔へと炎症が広がり、瘻管を形成(穴があく)する事があります。
  • 眼の下の皮膚が腫れる、膿や出血がある
    炎症が深部まで進むと、眼の下まで波及し、破裂して膿が出てきます。

案外虫歯は少ない

人でいう虫歯(齲歯)は、犬ではあまり起こりません。それは、人と犬の口腔内の環境に違いがあるためで、人の唾液がpH6.5〜7.0の弱酸性なのに対し、犬はpH8.5〜9.0でアルカリ性です。

虫歯菌はアルカリ性の環境では繁殖しにくく、また、犬の唾液にはデンプンを糖に分解するアミラーゼという酵素を持っていないことも、虫歯になりにくい理由のひとつです。人と歯の形状が違うこともあり、虫歯菌をためにくいようです。

犬は歯石がつきやすい

また犬の唾液はアルカリ性のために歯石が形成されやすくなっています。歯石の形成は人で2週間ほどかかりますが、犬の場合わずか2日程度と言われています。これだけ違うなんて驚きですよね。そのため、犬は歯石がつきやすいのです。

予防には歯磨きが一番

予防には歯磨きが一番
予防は歯垢をためないように毎日取り除くことが有効です。いきなり歯ブラシでゴシゴシ…というのはハードルが高いので、手にガーゼをまいて優しく拭き取ったり、指サックタイプのブラシで優しくマッサージするのもおすすめです。

何よりブラッシングは継続することが大切なので、無理やり口をこじあけて歯磨きをするのは絶対にやめてください!2度と口を触らせてくれなくなります。犬が、歯磨き=楽しいことと認識するようにトレーニングをする事から始めます。

始めは歯ブラシを見せてご褒美をあげる
      ↓
口元を触ってご褒美をあげる
      ↓
口唇を少しめくってご褒美をあげる
      ↓
歯の表面を手で少しなでてご褒美をあげる
      ↓
歯ブラシを一瞬歯に当てたらご褒美をあげる

というように少しずつ、少しずつ、犬が嫌がる手前でやめてご褒美をあげることが歯磨きを好きになってもらうためのポイントです。
この時、犬の好きなフレーバー付き歯磨き粉を使うのもおすすめです。

歯石がついてしまったら

歯石がついてしまったら
一度ついてしまった歯石は、ブラッシングでは落とせないので、スケーリングの処置が必要になります。最近では無麻酔で歯石除去処置を行っている施設があるようですが、おすすめしません。

どんなにお利口な犬でも人間の様にじっと口を開けて処置を受けることは大変困難です。そのため無麻酔での処置は嫌がる犬をおさえつけ、恐怖心をうえつけることだけでなく、一番重要な歯周ポケットまで処置ができないので、表面上は綺麗になっても、根本的な歯周病治療にはなりません。

また歯の表面を傷つけてしまい、かえって歯石がつきやすくなるなど、デメリットも多く、高齢で麻酔が心配な場合などは、必ず獣医さんに相談してください。

まとめ

今や歯周病は歯だけの問題ではなく、歯周病菌が血流にのって他の臓器に波及し、体全体に影響を与える事がわかってきています。歯ブラシは無理せず少しずつ慣らしてあげると、意外と好きなってくれるものです。

歯石がつきにくいフードや歯磨きガム、歯磨きグッズなどもたくさん販売されているので、愛犬にあったものを探してみてはいかがでしょうか?

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